東日本大地震救済支援コンピレーション・アルバム『Play for Japan』への参加について

ototoyのチャリティーコンピ『Play for Japan』にClamsの楽曲を提供しました。
http://ototoy.jp/feature/index.php/2011031604

参加した経緯・理由はototoy飯田さんの呼びかけによるもので、彼自身が阪神淡路大震災の被災者ということもあり今回の被害の壮絶さをいち早くイメージできたからの行動と感じたからです。

音楽で元気づけるという意味では比較的被害の少なかった人、もしくは報道やネットで被害を知り悲観してる人に向けては有効だと思いますが、実際に被災した人はそれどころじゃないし、そういう精神状態ではない人も多いと思います。そもそも物理的に聴けないということもあります。
僕が阪神淡路大震災で被災したのはちょうど片道3時間かけての通学にむけて朝食を食べているときでした。揺れを感じた後、ストーブが倒れてきて上に置いていたヤカンのお湯が下半身にバサッとかかりました。散乱したガラスで足をザクザクにさきながら家族の無事を確かめるために部屋から部屋を移動しました。幸いなことに家族は無事で、少ししてからヤケドと足のケガを処置してもらうため病院に行くと、血まみれの人や動かなくなった赤ん坊をだく若い母親がいました。もちろん僕の処置は後回しで、夕方に来て下さいと言われ、日も沈んだ頃懐中電灯で照らされながら麻酔もなく足を縫われました。そのときは全く音楽を聴く状態にはありませんでした。水と情報(インターネットなどもちろんなくて友達とはポケベルで連絡していた時代です)が何より欲しかったです。単純に比べることはできませんが、今回の災害は全く規模と状況が違います。まだまだ分かっていない(報道等情報がない)範囲で想像を超えた被害を受けていて、より長期的に多くの支援が必要になると思います。

何より早い段階での行動が大事なのは、一刻も早く現地に具体的な支援を送る必要があるからなのと、時間の経過とともに人の関心は薄れていくからです。日に日に報道も減り、東京が機能し(東京も”これまで”の状態に戻るのかも分かりませんが)、世界が注目する問題が収束するにしたがいあっという間に、たいへんな状況にまだまだ多くの人がいることを忘れてしまうのです。そうなってからではこういった行動の効果は薄れるでしょう。なので、もしかしたら不謹慎とか売名とか偽善とか思う人もいるかもしれませんが、微力ながら提供させていただきました(現時点では音楽を作る演奏するという環境と精神状態にありませんので昔の曲ですが)。いち早く行動を起こしたトクマルシューゴ君ototoy飯田さんを支持します。被害を受けなかった人、音楽を聴ける環境にある人には歌を、被災地にはお金が届くことを願います。

一人でも多くの人の無事と復興を祈ります。日本の底力を。世界のつながりを。


ここまで読んでいただきありがとうございます。
コンピレーションには多くの素晴らしいアーティストが参加しています。普通に音楽作品としてお勧めできる内容と思います。聴いてもらえたら幸いです。そしてできるならば一時的な関心ではなく被災地を応援していただければと思います。


あと、お分かりでしょうが無事です。東京です。うちの被害は本棚からCDやカオスパッドなどの楽器が落っこちて散乱した程度です。

以下、コンピレーション・アルバム『Play for Japan』の説明
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東日本大地震救済支援コンピレーション・アルバム『Play for Japan』

地震、大津波、そして原子力発電所の事故、この未曾有の災害により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

1995年阪神・淡路大震災の時、当時高校生だった僕は、実家の兵庫県西宮市にいて被災者となりました。電気は3日間、ガスは1ヶ月来ませんでした。学校は遺体の安置所となり、1ヶ月以上開校出来ませんでした。そうした体験から、この大地震が起こった後、ミュージシャンとして、そして音楽配信サイトOTOTOYで働く者として、今何が出来るかを考えました。ミュージシャンは、音楽を生むことが出来ます。音楽配信サイトは、それを出来るだけ早く販売し、お金に変えることが出来ます。そこで、OTOTOYで東日本大地震救済支援コンピレーション・アルバムを作ることに致しました。

アルバム・タイトルは、『Play for Japan』。「日本の未来のために演奏する」と言う意味を込めています。

まずOTOTOYと関わりのあるミュージシャンやレーベルの方をお誘いしました。当初は50曲ぐらいと予想しておりましたが、様々な皆さんにご協力いただいて、なんと112アーティスト、112曲もの楽曲が集まりました。また一般公募したジャケット・デザインにも多くの参加があり、その中から6人の方にお願いし、素敵なジャケットが出来上がりました。それを、OTOTOY編集部と多くのライター、3人のマスタリング・エンジニアが編集し、このアルバムが世に出ることになりました。この間、わずか5日。みなさんの熱い気持ちを感じていただければと思います。

こうして完成させることが出来た『Play for Japan vol.1-vol.6』。販売に当たっては、クレジット決済手数料約5%と、著作権管理事業者へ登録済の楽曲に関しては、著作権料約7.7%を除いた全ての売り上げを、東日本大地震義援金として、日本赤十字社を通じて寄付致します。ミュージシャン、デザイナー、ライター、エンジニア、編集部... 皆が出来る事を精一杯行ってエネルギーとお金を生み、それらが少しでも被災した皆さんの助けになれば幸いです。

発売日は、2011年3月17日。我々の思いが、少しでも被災地に届きますように。みなさん、一緒に、粘り強く、再建と復興をめざして歩んでいきましょう。

飯田仁一郎(OTOTOYチーフ・プロデューサー/Limited Express (has gone?)/BOROFESTA等)
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